”ないもの”つくります

”ないもの”つくります

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kinder fook

kinder fook

kinder hook
W 660 × D 280 × H 30
四万十ヒノキ集成材
フック:天然木・オスモカラー5色(ドイツ製自然塗料)
耐荷重:約5kg(フック1個あたり1kg)


商品開発をした事のない社員で創る『はじめての商品開発』
キンダーフック SAKANA編

キンダーフックの制作にあたって

丸橋幸弘

子どもは片付けないものです。帰ってくれば通園・通学のバッグはそのまま、片付けない。これは困ったものです。
子どもの負担にならず楽しくお片付けが出来るということをテーマに考えました。
気ままに掛けるところを自由にかえて、自分のことは自分で出来る、少し自立出来ればという願いです。
ベースは四万十檜の集成材を使い、木の自然な香りと温かさ、フックは滑らかな形状で、色は植物油で出来た安全なオスモカラーを使っています。
自然と生活の中で楽しくしつけが出来たら・・・という思いで作りました。

子どもが楽しくお片付けできるコートフック

制作チーム

はじまりは2009年。「新商品のアイデアを募集する」という社長の一言でした。実現可能かどうか気にせずどんどん出して良いという事でしたから、みんな楽しくなってやる気満々です。

我が社は社員10人の町工場ですが、約一年で400件以上のアイデアが出ました!
冗談のようなものもありましたが、中には「これ本当に売れるんじゃないか・・・」というアイデアもあり、実際にその中のアイデアを参考に社員(商品開発未経験者)だけで商品化させる事になりました。

1人1個商品化するのは難しいので、2チームに分かれて進めていきます。そこで結成されたのは我がチーム、メンバー平均年齢53歳。

まず400以上の中から候補を選ぶ事にしました。しかし、工場での仕事もあるのでなかなか皆で集まって会議をする時間を取ることが出来ません。ある日メンバーの一人が孫のところへ行くと、通園バックや帽子は下に置きっぱなしでそのまま外に遊びに行っていました。彼はこの置きっぱなしを、「なんとかならないか」と考えました。そんな事をチームで話したところ、それをテーマにすることになり、”孫(子ども)の為の”大人も子どもも使えるコートフックの開発が始まりました。

何もかもが初めての事だったので、どうせやるなら他には無い楽しいものをと意気込み、沢山のアイデアを出し合いました。
また、インターネットでも他社製品を調べました。「コートフック」や「フック」等の言葉で検索すると山のように出てきます。もう新しいものは思いつかないくらい色々なタイプのものが沢山あります。ガッカリしながらも「ここで諦めてなるものか!」と他社の製品を分析しました。
各タイプでこれは良いというものを選び、条件として思いつくものをいくつも出します。
それをX軸とY軸にして、それらを色分けのグラフにしていきました。どれにも色々な特徴がありますが、「子どもが使える」物にしたかったので、その分析結果から【シンプル・楽しい・自由性】を売りにし、それを全て満たす事のできるものを目標に商品開発をする事にしました。

開発者目線とお客様目線の違い

はじめての商品開発ということで、セミナーにも行きました。

モニターアンケートにも臨み、皆で何度も会議を重ねて選んだ3つのアイデアを、それぞれ使っているシーンの絵にしてモニターの皆様に見てもらいました。しかしアンケート結果で分かった事は、自分たちは買ってくれる人の事はそっちのけで自己満足だけでやっていたという事でした。
他社の可愛いものやかっこいいフック、シングルタイプやスタンドタイプ等沢山の製品に気を取られ、いつの間にか”孫(子ども)の為”から離れてしまっていました。ついこの間までは完全にお客様面でいたつもりだったのに・・・これではいけないと立ち直り、アンケートの結果も参考にしながら新たに決めたのが【子どもが楽しくお片付けできるフック】です。「大人も子どもも」と欲張るのは止めました。

そして以前からアイデアでは出ていたシフト式を取り入れる事にしました。シフト式はフックを移動させる事ができ、遊び感覚で尚且つ楽しくお片付けできるのではないかと考えたのです。

お客様目線での商品開発
当たり前の事を大切にする

色々な人に会って沢山のアドバイスをもらい、少しずつですがメンバーでの意見もまとまり、形状等も決まりました。

試作も何個も作りました。子どもたちが使いますので、安心安全が第一です。
実際に触って使って頂ければ分かりますが、フックもベースの木も「角」を落として怪我をしにくく、手触りがとても気持ち良いものになりました。がたつきも無くなりました。当たり前の事を大切に、形にしていきました。

安全・環境にこだわった素材選び

こだわったところは多々ありますが、大きくは2つ。

1.取り付け金具以外は『木』を使用する事にしました。

私達は金属会社ですが、今回は金属で作ることではなく、安全・環境にこだわることにしました。子ども用のコートフックという事もあり、環境にも人にも優しい四万十檜を使用することに決めたのです。

2.フックに塗っている塗料も大切です。

子どもさんがフックは口に入れる可能性があるので世界35ヶ国で使用されている植物油ベースの自然塗料”OSMO”を使用する事に決めました。もちろん子どもが舐めても大丈夫な安全な塗料です。

プレゼントした側とされた側の思い出になる商品

パパ・ママ・おじいちゃん・おばあちゃんが3~10歳までのお子さんやお孫さんにプレゼントして頂く場面を想像しました。子どもさんにはフックを使ったお片付けを楽しみながら、木の持つ温かさを感じて頂きたい。

シンプルなデザインにこだわったのは子どもさんが大きくなってもインテリアとして長く使って頂けるようにとの想いからです。
長く使う事により、大きくなったときに「魚の形をしたコートフックがあったな」と思い出して頂けるような商品となれば幸いです。

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